組織が成長するにつれて意思決定が遅くなる構造的な理由
執筆: Parse Ziggurat —
「以前は素早く動けていたのに、人が増えてから決定が遅くなった」という声は、成長期の組織でよく聞きます。これは組織の規模の問題ではなく、意思決定の構造が人数の増加に追いついていないことから起きます。
なぜ人が増えると遅くなるのか
少人数のときは、誰が何を決めるかを明文化しなくても、自然に機能します。全員が状況を把握しており、必要なときに必要な人が判断できる。ところが、人が増えると、全員が状況を把握することが難しくなります。
情報の非対称性が生まれると、判断のために確認が必要になります。確認のための会議が増え、会議の結果を共有するための連絡が増え、連絡を受けた人がまた確認する、という循環が生まれます。これが意思決定の遅さの正体です。
「誰が決めるか」を明文化することの効果
意思決定の速度を取り戻す最も直接的な方法は、「この種の判断は誰が決めるか」を明文化することです。全員が合意する必要があるものと、担当者が単独で決めてよいものを分けるだけで、確認のための会議の数は減ります。
明文化の際に重要なのは、「決める人」だけでなく「相談する人」と「知らせる人」を分けることです。全員が「決める人」として会議に呼ばれている状態が、最も意思決定を遅くします。
実際の整理の手順
まず、直近三ヶ月の会議の議事録を集め、どの議題に最も時間がかかったかを確認します。時間がかかった議題は、意思決定の構造が不明確な領域である可能性が高い。
次に、その議題について「本来誰が決めるべきか」を、経営層と現場の双方に個別に聞きます。答えが一致しない場合、そこに構造的な問題があります。一致させることが、整理の出発点です。
意思決定の構造は、一度整理しても、組織が変わればまた見直しが必要になります。半年に一度、「誰が何を決めているか」を確認する習慣が、組織の動きを軽くします。